OMM ストレートA (リパブリック讃歌とコーヒーゼリー) 2024-03-21



OMM ストレートA (リパブリック讃歌とコーヒーゼリー)

北八ヶ岳。
稜線の形、この山域綺全てが綺麗な形である。
線好きの自分はそう思う。

初出場の去年に続き2回目のOMM。
『東京店の魚岸さんとまた一緒に出るんですか?』と たくさんの人から聞かれたこの半年間。

OMM JAPANはバディが必要なため 相手を見つけることから始まるが このバディ探しが結構大変。

『うん、うん』と頷く人も多いと思う。

友人に仕事だからと断られ、途方に暮れていた時にMLGのYouTube編集担当、玉川さんが自分で良ければ是非と救いの手を差し伸べてくれた。

ありがたや〜。

玉川さんは埼玉在住。
陸上部出身。これだけでもう心強い。

僕は福岡在住。
前職、IKEA。特に関係はない。

遠く離れた者同士、 一度も一緒に練習することなくぶっつけ本番へ。
当日、 スタート前になっても緊張していないのは 去年の経験があるからなのか。



スタート寸前、10秒前のカウント。
同時に地図を手に取り玉川さんと確認する。

いつだって最初は軽い足取りなんだよね。 期待と気合いが漲っている状態。 続かないとわかっていても最初はいつだってそう。

最初のCPを取るのに時間がかかってしまった。 近道だと判断して藪漕ぎを選択した結果、時間をロス。

気合いと期待はどこえやら、、

玉川さんと話した末、今後はロードを選択。 玉川さんとの話し合いはとても建設的だ。揉めることなくとてもスムーズ。



時間はかかれど迷うことなく順調に進んで行く。
急登を登りきった時やCPを探し当てた絶妙なタイミングで 支給される玉川さんからの行動食がセンスが良すぎて。

惚れてしまうんですよコレ。 自分でももちろん行動食は携帯してたけど玉川さんに甘えることに抵抗がなくなってきた。

よくない。

途中疲れてきてカムレイカのポケットが大きく地図を入れやすいもんだからしまってしまい玉川さん任せになってしまった。

さらによくない。

そして、1日目も中判に差し掛かり疲れた、きつい、というより集中が完全に切れてしまう。

こういう時ほどろくな考えが浮かばない。というかどうでもいい事が頭を支配する。

玉川さん、前職がヨドバシカメラ。 最新の家電情報にめっぽう強い。 んで、つい聞いてしまった。

「玉川さんってヨドバシカメラのアナウンスもやってたんですか?」

あらためて文字におこすと変なこと聞いてるな、と思うけど すぐさまやってくれるのが玉川さんである。

臨場感ある店内(正確には店外)アナウンス。 やっぱり音楽流さなきゃってことでYoutubeからヨドバシカメラのあの音楽(リパブリック讃歌)を流す。 と、同時に始まる生アナウンス。

「本物だ!」

「え!ブラビアその金額でいいんですか!?」

転職して数年経ってるはずなのにスラスラ言えてるじゃないか。

「覚えてるもんですね〜」と玉川氏。

今日一の感動。

写真にハマっていた若かりし頃、ヨドバシに足繁く通った自分としてはスピーカーの中の人に会えた気分。

気持ちが一気に変わり体が軽くなる。 メンタルの影響力よ。

翌日、ケロちゃんこと山﨑君にこの動画を見せたら 「何やらせてんすか!」って。 いや、だからろくな考え浮かばないシチュエーションってあるじゃん?

そんなこんなで息を吹き返し地図をよく見てコンパスを図る。 玉川さんと話し合いながら決めていく。 なんとか1日目を時間内に完走できた。

キャンプ地にMSRのフロントレンジを張る。
鮮やかなオレンジだけど内部にいると落ち着くので不思議なテント。 広いし高さもあるしくつろげるのもこれを選んだ理由。 おじさん二人、ぎゅうぎゅうで寝るのはちょっと、ってことで笑

しかもここでも玉川さんにせんべい汁を作ってもらった。 MLGのYouTubeでも紹介しているのでぜひ見てね!



二日目。
せんべい汁とroun wellnessのCBDバームのおかげで 疲れも筋肉痛も消えている!!

そうだ、今回はストックも使っているのが大きい。 あるのとないのではここまで違うのね。収納も組み立ても瞬時にできて めっちゃ軽いMOUNTAIN KINGのカーボンモデル。

最初はちょっと迷いつつもなんとかCPを取っていく。

でも北八ヶ岳の自然ってめっちゃ綺麗だな。 普段は入れないエリアに特別に入れるのもOMMの魅力で。

そんな感じで玉川さんと会話しながら進んでいくと そこには地味で目立たないながらもちゃんとした傾斜で長く伸びる一本道が。

「ながっ」

ここは先を見ず、足元だけ見て進む作戦でいこう。
最初だけ軽かった体も気付けばさすがに疲労感でいっぱい。
「んや〜きついぃ〜」と口にしたところで はい来ました餌付、、行動食タイム!
玉川さんがポケットをゴソゴソし始めたら意識しちゃう! このタイミング絶妙〜

ええ、私は完全に懐いていますよ。玉川さん。

玉川さんがポケットから取り出したのはなんとコーヒーゼリー。



乾ききった喉にこいつが染みる。 羊羹ではこの潤いは叶えられないだろう。 ヒアルロン酸でも入ってるのか?というほど潤う。 甘さと小さな苦味のマリアージュ。

横「玉川さんコレやばいっすね!」

玉「でしょ!行きつけのコーヒー屋さんのゼリーで、、」

横「行動食にこれはありですね!」

あまりの美味さに夢中で話していたら道を間違えている。。。
二人同時に「アレ?」

急いで戻る。 無口になる二人。

、、、無言だね、、、

もちろん色っぽさなんて無く静か。 目と目で通じ合えるのか。 言えないのよ〜。

笑ってくれた人は40代後半より上なはず。 さっきまで楽しくお話ししてたんだけど。 こういう微妙な感じになるのもOMMの醍醐味。

この失敗?いや気づきがあったからこそその後の集中力は凄まじく。 ここから順調にCPを取っていき残り2つとなった時、最後のご褒美、いや、行動食が与えられた。

まさかのシュトーレン。



針葉樹の香りが漂うふかふかの落ち葉の上、最後の追い込みをかける選手達を横目に 上品な甘さと静かな夜露のようにしっとり感あるシュトーレンをいただく。

山で、しかもOMMでシュトーレンって 我々が初めてではないだろうか。。。

はい。気持ちのフレッシュ感はスタート前の初日に戻りました。 あと食べ物の話ばかりですみません。

ここからスキー場までずっと下り坂。 気持ちがハイになり全て走る。 リパブリック讃歌を口ずさみながら、頭には玉川氏のアナウンス。 韻を踏むように北八ヶ岳の大地を踏む。 歩幅も気持ちもリズムに乗せてそのままゴール。

バディ、そしてマネージャーのような玉川さんがいなければ完走できなかったと思います。 どんなにきつい時も悲惨になりかねない状況でも冷静に大人な対応で接してくれました。
玉川さん、ありがとうございました!

そして北八ヶ岳の美しい自然と OMM大会の運営に携わった全ての方に感謝しつつ締めたいと思います。 最後まで読んでいただきありがとうございます。

Written by : Seiji Yokoyama