ひとりでいられる能力とは小児科医であり精神科医のドナルドウィニコットが1958年に提唱した。
物理的に距離が離れていても母の安心感が子に宿り、子の行動に親が過度に干渉しないことで
子ども自体が「ひとりでいること」に自由さを感じていれば、心が充分に成熟している状態だと説いた。
山の夜は動物の気配や呪的な独特なものがある。
その暗闇の中で必要以上の装備をもたず
山でひとりただ眠ることを純粋に楽しめる人は案外少ない。
まぶたを閉じても差がない真っ暗闇の中
空からのアングルで自分を俯瞰で見つめる時間。
ひとりでいられる能力が試される。
海千山千會 千代田高史
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スウェットパーカーは闇の力を纏うもの。そのパワーで下剋上を企てる。
それは単なるぼくの個人的な妄想に過ぎない。しかし秘められし能力は、象徴的にパーカーで隠されているのが多いのは何故だろうか。
その闇に抱かれた新しい力は、硬直した世の中を変えていくのだ。
50年代60年代初期に作られたスウェットには多様なディテールがみられ
アイディアが百花繚乱のようにあったが、時代が下がると生産性が多様性を討ち滅ぼした。
単(ひとえ)のフード、二つ折にした末端処理縫製、カンガルーポケットの上部縫製なども今は失われたものだが
初期のパーカーには存在したディテールだ。
それが吸水速乾ライトウエイトで、既存の古着から再度糸を作った。
唯一無二の存在ではないだろうか。
UNHALFDRAWING 立沢トオル

グラフィックワーク
■立沢トオル
1962年東京都出身 アートディレクター、デザイナーデザインプロダクション勤務を経て1996年に独立する。 Bonzaipaint®、inhabitant®、Loopwheeler®、TRANSIENT EXISTENCE®、ZEN NUTRITION®など、ブランド設立やブランドコンサル事業多数。
