標高4600mの山と、謎の犬と、リネンのパンツ 2026-06-18

2月、コスタリカをあとにして向かったのはメキシコ。


旅の中でも特に記憶に残っているのが、標高4600mの山だった。


登山口にはキャンプ場があり、そこで一泊することにしたのだが、キャンプ場ですら標高3000m超え。

高所とはいえ大木が多く、涼しい風が気持ち良かったのでハンモックで眠ることにした。


昼間は快適だったものの、日が落ちると一気に冷え込む。

焚き火を囲みながら夕飯を食べていると、続々と“奴ら”が集まってきた。


犬だ。

 

 

なぜかこの場所には野良犬がたくさんいた。

一見すると少し物騒な光景かもしれないが、彼らの目を見れば安心できた。

犬というのは不思議なもので、目を合わせるだけでなんとなく何を考えているのか大体分かる。

みんな穏やかな顔をしていた。

 


ご飯をねだるわけでもなく、ただ僕らのそばに座っている。

まるで何かから守ってくれているようだった。


翌朝3時。寒さで目が覚めた。

周りを見ると他のハンモックも灯りが点き、ゆらゆらと揺れている。

どうやらみんな眠れなかったらしい。


標高の影響もあって寝不足のまま登山開始。

歩き始めると、後ろから聞き覚えのある鳴き声が近づいてきた。


昨晩の犬たちだった。

 

3匹が当然のように付いてくる。


なぜ付いてくるのかは分からない。暇だったのか、それとも彼らなりの使命感だったのか。


僕らが休憩すれば犬も休憩する。

道を間違えそうになると先を歩いて正しいルートへ導いてくれる。


特に何かを要求するわけでもなく、気付けば山頂まで一緒だった。


 

空気の薄い中での1500mアップ。

MLGの鉄人代表の吉谷ですら高山病でダウンしていたというのに、犬たちはひょいひょいと軽快に登っていく。

その姿は本当に見事だった。

 

↑よく見ると真ん中に犬。

 

しかしまぁ、犬という存在はどうしてこんなにも健気で可愛いのだろうか。

人間と犬の関係性って、動物と飼い主という枠を超えた特別な何かがあると思う。

 

 

約3万年前、オオカミが家畜化されて犬になったと言われているけれど、犬は人間の表情や視線を読む能力を進化の中で獲得したらしい。

山の中で考えると、犬はペットというより「相棒」という言葉がしっくりくる。

人間は犬に食べ物や安全な居場所を与え、
犬は人間に安心感や喜び、そして時には冒険心を与えてくれる。

今回の山行で彼らが本当に何を考えていたのかは分からない。

暇だっただけかもしれないし、ただ山頂まで散歩したかっただけかもしれない。

それでも、あの薄い空気の中を一緒に歩いてくれたおかげで、間違いなく忘れられない山になった。


 

そういえば今回、コスタリカでパンツを失くした。


お気に入りだったMoonlightgear equipmentのUNfake LT Pantsだ。大好きなパンツなので非常にショックだった。

山で履くパンツが無くなってしまったのでテストで持ってきていた ”UNfake LI Pants" を渋々履いて登ってみた。


UNfake Pantsのリネンバージョンで、本来は街をメインに考えた企画。

正直、標高4600mの山で試すことになるとは思っていなかった。

ところがこれが意外にも快適だった。

風抜けが良く、肌触りもさらさら。

サンフーディのパンツVerと考えたら、そりゃ着心地は抜群か。


耐久性の面では薄手なので藪漕ぎや岩場には向かないけど、旅先で見つけた山をふらっと楽しむくらいなら十分以上。

街と自然を行き来する旅のパンツとしてはかなり良い感触だった。


思いがけず最高のフィールドテストになったと思う。

 

ともあれ無事に山頂へ到着し、さぁ下山しようと犬のお尻を叩いたその時、別のハイカーが登ってきた。

挨拶を交わしながら彼らが犬を撫でている。


犬が可愛いのは万国共通らしい。


すると、そのハイカーがパンをひとかけら差し出した。

次の瞬間、犬はあっさり寝返った。

僕らがいくら声をかけても振り向きもしない。


山頂まで付き添ってくれた友情も、パンひとかけらには敵わなかったらしい。

犬は純粋無垢で正直者だ。


最高の旅をありがとう🐕