夢のコスタリカと現実 2026-03-02

憧れ続けた夢の地、コスタリカ。

“生き物の宝庫”と呼ばれるこの国は、日本の約7分の1ほどの国土に、地球の約7%の生態系が集結しているという。

数にして約50万種以上の生物が存在すると言われているのだから、その情報だけで胸が高鳴りワクワクする。


そんな期待と興奮をZpacksのエアプレーンケースに詰め込み、いざ旅立った。


.....


”夢のような場所”…のはずだった。


そこに待っていたのは想像の斜め上をいく現実。



「自然の中で自由に遊べない」



国立公園が多く、自然保護が徹底されていることは事前に調べていた。
豊かな生態系の理由も理解していたつもりだった。

けれど、国立公園の外もほとんどが私有地。
国全体が自然を守る仕組みの中にあった。

※よーく見ると奥川に鉄線がある。全部こんな感じで入れないようになっている。

 

驚き、戸惑い、そして同時に強く心を動かされた。


この国は本気で自然と生きている。


大地を踏みしめる足裏が、じんじんと震える。
この地の鼓動か、漲る力か。

まるでこの地そのものが生きているように感じた。

 

※4m級のワニが普通にいる。

 

 

自然保護の取り組みは近年の流行ではない。
1940年代から続き、この国は軍を持たず、その予算を自然保護へと回してきた。
70年代から本格的に始まった自然保護のなかで守られた森は豊かな生態系を育み、エコツーリズムを生み、そこから得た資金は教育や医療へと還元される。


”自然とともに生きる”


現代の人間に必要なその理想を、ずっと昔から実践してきた国がここにあった。


そんな国で育って生活している人もまた優しい。
行き交う人々は驚くほどあたたかく、目を合わせれば幸せそうな顔をして笑っている。充実した顔だ。
森も、人も、食べ物も、どこか優しくて柔らかい。

※たまたま出会した現地の地引網。水族館で観察できるような魚たちが水揚げされていて大興奮。

 

※野営していた場所がまさかのトレランレース会場だった朝。

 

 

※コスタリカのローカル食堂を総じてSodaという。美味しい。好き。

 

.....

 

この国には、「pura vida」という魔法の言葉がある。
“幸福な人生”という意味を持つこの言葉は、挨拶にも、感謝にも、喜びにも使われる。

人生をシンプルに楽しむこと。
喜びを分かち合うこと。

この国の空気が、それを教えてくれた。

 

 

.....

 

そんな制限がある中でも、必死に森を歩き、生き物を探した。
気づけばニカラグア国境近くまで車を走らせていた。


仲間を巻き込みながら辿り着いた辺境の地で出会ったヤドクガエルや生き物の数々。
あの色彩と静かな存在感、そしてあの興奮はきっと忘れない。

 

※一匹の毒で大人1人殺せてしまうほどの強い猛毒を持ったカエル。チョンチョンと触ってみたが大丈夫だった。

 

 

旅の後半には国営のガイドツアーにも参加したが、
その日は大雨でコンディションは最悪。


正直、こんな状況で生き物なんて見つからないと思っていたし、この状況でもツアーをやってくれるのか、という驚きもあった。

それでも森とガイドは応えてくれた。


国立公園も私有地も関係なく、そこにあるのはありのままの自然。
「私たちは自然と共に生きている」
改めてそんな国の自己紹介を聞いたような気がした。


濃密な緑に湿った空気。
その中に感じる脈打つ命の気配たち。

世界有数の生物多様性を誇るこの国は、ただ“自然が豊か”という言葉だけでは到底足りない場所だった。

実際に来て、肌で感じることができてよかった。

土砂降りの山道を歩きながら、様々なことを考えさせられる。


※この中に生き物がいます。

 

※これはもう分かりやすい。

 

※タランチュラ。大きい。好き。

 

.....

 

宿泊したある宿の敷地内には小さな森があって、ハンモックがかけられていた。


朝、コーヒーを飲みつつ揺られながら目を瞑る。

この旅も終盤に差し掛かるからこそ、脳内を整理。

慣れ親しみのない辺境の地での情報過多の中、久しぶりの休息だ。

 

鳥の囀り。
放牧された牛の気持ち良さそうな声。
木々の揺れる音。
そして晴天の中にふわりと立ち上る霧が肌にあたりひんやり気持ちが良い。


気づけば脳内には大自然の宇宙が広がっていて、

スゥーっと息を吐いて目を開けると、目の前には大きな虹が架かっていた。

気づけばサラサラと涙がこぼれていて、悲しみでも、寂しさでもない。
ただただ、美しいと身体の奥から感じた涙。

この地を旅する中で身体で感じる大自然の美しさ。こんなにも純粋に「美しい」「気持ちが良い」と思えたのは、いつぶりだろうか。久しぶりのことだった。




コスタリカという地では、思うようにフィールドに踏み込めず、迷い、計画は崩れた。
それでも、いや、だからこそ。
限られた中で探し、感じ、学び、全力で遊んだ。


自然は消費するものではなく、共に生きる存在。
森と生物を敬い、未来の命のために選択する人々がいる。

本当の豊かさとは、守る覚悟を持つこと。

それをこの国は静かに教えてくれ、同時に日本の自然の尊さも痛感。

 

来てよかった。

 

コスタリカという地には、山にも街にもとにかくよく虹が掛かる。

この地の温もりを表現しているように毎日が美しい。

 

 

帰国後も、この地が繋いでくれた人との大切な縁が残り、そして実っている。

この地で、どうやって遊んだらいいのか。

じわりとその答えに近づいているように感じるし、今もまだ遊び方を模索している自分がいる。


僕はきっと、またこの国へ行くと思うし、今すぐにでも行きたい気持ちでいっぱいだ。


次はどんな命と出会えるだろう。
どんな気配に心を震わせるだろう。


旅はたくさんのことを教え感じさせてくれる。最高だ。

コスタリカ、ありがとう 。

pura vida🇨🇷