甲府駅 to ほったらかし温泉 2025-01-26

12月某日。

ムーンライトギアチャンネル(Youtube)の撮影で久方ぶりに訪れた山梨県は甲府市。

久方ぶりというのも元々キャンプが大好きだった僕は毎週のように甲府に遊びに来ていた。

今回はキャンプというわけではなく、山梨県を代表する僕らの大好きな山道具屋 SUNDAYの石川さんに甲府周辺の山を案内してもらうという「ちよ散歩」の企画だ。

 

キャンプにハマっていた当時は〆で甲府市のほったらかし温泉に入ることが定番の流れだった。汗や焚き火臭さを温泉で一掃して東京に帰るのである。

懐かしいな〜なんてボソッと呟くと石川さんから「甲府駅からほったらかし温泉まで ”山” で繋げるよ」と。

なんて魅力的な提案なんだ。

その瞬間から頭の中がワクワクで支配されていく。

 

どうやって繋ぐ?

どんな装備で行こうかな?

いつ行く?

早く地図が見たい。

頭の中がぐるぐるぐる…

 

無事に撮影も終えて帰りの特急に駆け込み、ビールを片手に地図と睨めっこ。

「確かに繋げるな…」

 

・・・

 

そして撮影から2週間後。

少し寝坊したが再び甲府駅に戻ってきた。

セブンイレブンで買い出しを済ませ、前半はYoutube通りの同じルートを辿る。

みんなで話しながら登るのも楽しかったけど、やっぱり1人って気ままで幸せだ。

 

石川さんお気に入りの絶景秘密スポットを今回は独り占めしてコーヒーなんかを飲みながらまったり寛いでみる。

低山だけど見える景色が地方の景色だからこそ、ものすごく新鮮な気分を満喫できる。

高尾山であれば八王子の街並みを眺めることができるけど、ここは甲府盆地だったりアルプスや富士山との距離感も近くて迫力が全然違う。

冬だから葉も散って空気も澄んでるから視界も良好だ。

地図を見ながら、あの山が〇〇山で、あの建物が〇〇なのか!なんて1人で答え合わせしてる時間すら知らない土地だからこそ新鮮で楽しい。

 

地方に遠征するとやっぱり有名な山や高い山に登りたくなる。

そりゃそうだ。時間もお金も掛けてるんだから。

でも、そこをあえてローカルな山に登ってみる贅沢な時間の使い方。

ローカルだからこそ人も少なくて山を独り占めできる。

 

低山だからこそ温泉やご当地のご飯屋さんとの距離感も近くて、山だけでなくその地域全てを満喫できる。

 

”登山”というよりかは”山旅”なのである。

”旅”の中に”山”がある。

決して山は主役ではない楽しみ方。



何これ、すっげー楽しいじゃん。

ふぅ〜と深く深呼吸をして再び歩き出す。



何かの偶然か、それとも石川さんがあえて狙ったのか、この”ルートには千代田湖"なんて湖がある。

Youtubeでは特に触れなかったっけ。

そんな千代田湖を抜けて峠に差し掛かる。

ここで再びワクワク感に駆られる。

撮影ではこの辺りで下山した。ここの峠を越えたら未開の地のスタートなのである。



今回は特に登山計画をビッチリ組むわけではなく、大まかな計画。

行き当たりばったりで歩きたいと思った山に進んで行く。

 

これはまさに山旅、なのかもしれない。

 

大量の落ち葉で道は隠れて踏み跡すらないので登山道をよく見失う。

結構アップダウンもあったり岩場もあったりしてパワフルな道が多くて低山だけど満足度がかなり高い。楽しい。

景色も含めて例えるなら八ヶ岳っぽい雰囲気。

 

今回のレイアリングはセンチデザインアルファ90MLGグラムジャケット

この組み合わせが本当に丁度よかった。

空気をしっかり溜め込めて、さらに溜め込んだ空気の温度調整を密に行えるアルファ素材はやはり山での最大の武器である。しかも軽いんですもの。

 

下剋上ラジオの相方が居なくとも1人ぶつくさギアレビューをするくらいには独り言の多い僕ですが、気付けばピークを踏む度にどんどん甲府盆地の景色が離れていく。

 

そしてだんだん暗くもなる。

明日はほったらかし温泉&山梨市でのんびり過ごしたいという欲求もあって、今日中にできる限り歩いてしまいたい。

2時間も寝坊をしてしまった自分を悔やむ。

 

とりあえず陽が落ちる前に野営場を決めたくて、地図を片手に探し回る。

この時期は葉が落ちているから視界が良くて地図読みがしやすい。

この先の場所はどうなんだろ?ついつい気になり楽しくなってしまう。

早く野営場を見つけたいのに極上の寝床を探してしまういつもの悪い癖。

 

そして甲府の山奥にひとつ、秘密の寝床を開拓。優越感に浸りながらタープを張ってビールを流し込む。

今回はMLDFKTビビィを持ってきていたので正直どこでも寝れるけど、せっかく寝るなら風通しの良い気持ちの良い場所で寝たい。

そんな欲求を満たしつつ焚き火を目の前に微睡む。

 

・・・

 

翌日。寝坊である。

低山とは言えどこの時期は寒い。

ぬくぬくの寝袋から出たくない。

そんな日は陽が登って暖かくなるまでシェラフの中で淡々とアニメを観続けるシェラフニートと化すのだ。



ほったらかし温泉まではご褒美の下りルート。

誰も踏んでないフカフカの落ち葉の上を思いっきり走るのが最高に気持ち良い。たまに奇声をあげたりなんかして。

フカフカの落ち葉の下には霜の降りたザクザクの土。

これを踏み締めるのも気持ちが良い。「ザクザクザクッ」って。

大きな霜はまるでダイヤモンド。子どものように一番綺麗で大きなものを探してしまう。



そして見えてきたほったらかしキャンプ場。

温泉の近くにあるキャンプ場であり何度かお世話になった場所。

当時はすごく高い場所にあるキャンプ場なんて認識だったけど、山の上から見る日が来るとは。

キャンプ場を見下ろしながら温泉に向かう。

 

着いた。

懐かし〜〜。

よく車で来ていた場所に歩いてきた。なんか面白い。

朝陽を温泉から見る予定だったけど、もう昼の12時。

登りきった太陽。

光の反射で眩しくて何も見えない。

けど気持ちは良い。

 

温泉から上がってカレーとビールをいただく。

このカレー、やけに大胆。

食べるの大変じゃーん、と思ったけど何ならスプーンで解れるくらい柔らかい肉。

美味しくて思わず顔上げちゃったもん。

 

帰りも電車だし気持ちよくビールを飲めるのも嬉しい。

名物の揚げ卵を食べながら山梨市駅まで40分ほど歩いてこれにて完。

 

ウルトラライトな軽いギアを使っているからこそ山も街も両立して楽しめる。

登山というよりかは ” 山旅 ”

 

是非お試しあれ。

 




PACKING LIST

製品 重量(g)
バックパック
Hyperlite Mountain Gear / Summit Pack 360
合計  
   
スリーピングシステム
CUMULUS / X-LITE 400 575
合計  
   
テント・シェルター
Mountain Laurel Designs / FKT E-VENT BIVY 280
Mountain Laurel Designs / MONK FLAT TARP 142
合計 422
   
クッカーシステム
VARGO / Titanium Bot 147
KATADYN / Befree 65
CNOC / Hydriam Collapsible Flask 42mm 31
CNOC / Vesica 1L Collapsible Bottle 69
Tritensil / Spoon & Folk/Knife 8.5
Iwatani Primus / 116フェムトストーブⅡ 64
合計 384.5
   
ウェア(防寒着、雨具)
OMM / Core Hoody 125
OMM / Core Tights 130
OMM / Core Sleep Socks 38
ENLIGHTENED EQUIPMENT / Men's Torrid APEX Jacket 249
MOONLIGHTGEAR / D.D Jacket 195
Zpacks / DCF Rain Kilt 52
合計 779
   
ウェア(行動着)
OMM / Core Vest 72
Senchi Designs / ALPHA 90 HOODIE W/ HALF ZIP 139
MOONLIGHTGEAR / Gram Jacket  44
STATIC × Moonlightgear / All Mountain Pants #5 軽Edition 419
Vivobarefoot / MAGNA FG  
合計 1251
   
食料・燃料
袋麺200g ×2 400
ガス缶(110) 90
1500
行動食(パンとカロリーバーなど) 300
合計 2290
   
その他
バッテリー 150
ヘッドライト 173
エマージェンシーキット 115
合計 439
   
BW (ベースウェイト) 2136
PW (パックウェイト) 4426