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熊野古道・小辺路 2泊3日初めての単独、テン泊装備で歩く 2025-04-29
2025年3月31〜4月2日の2泊3日で熊野古道、小辺路を歩いてきました。
熊野古道・小辺路は関西の有名なロングトレイルのひとつであり、高野山(和歌山県)と熊野三山(熊野本宮大社)を結ぶ約70kmの巡礼道です。
そして人生初めてのソロハイク。
僕はグループ登山から山にハマ始めたのもあり
恥ずかしながらソロハイクというものを経験せずにここまできてしまいました。笑
不安と期待の中、旅はスタートします。
熊野古道・小辺路とは
2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として、熊野古道の大辺路、中辺路、小辺路、伊勢路のルートが世界遺産に登録されました。
そう今回選んだ小辺路は世界遺産なのです。
世界遺産の中で歩いて食べて寝れるなんてきっと最高な体験が僕を待っているはず!
紀伊山地の深い山々を越えていくこの道は、かつて多くの修験者や参詣者が行き交ったルートでもあります。
小辺路の特徴は、標高1,000mを超える峠が3つもあること。静かで人の少ないルートですが、そのぶん自然の美しさや、巡礼道の雰囲気をしっかり味わえるのが魅力です。
道中にもいたるところに(世界遺産熊野古道 小辺路)という看板が点在しており、見かけるたびに「今、俺は世界遺産を歩いているんだ」と気持ちを高ぶらせていました。
1日目 吉野〜伯母子岳 避難小屋テン泊
アクセス(南海なんば駅〜高野山)
旅の始まりは、南海なんば駅から。
南海高野線で極楽橋駅へ向かい、そこからは高野山ケーブルカーに乗り換えて、終点の高野山駅に到着します。
高野山駅の2階は、展望のいい休憩所や資料館も併設されていて、天気が崩れた時の待機にも便利です。
高野駅からトレイルへ
バス専用道路ではなく、歩行者用の舗装路を選んでスタート。
歩き始めて15分くらい。シカさんが見送ってくれた。これからの長い旅、地味にうれしい。
標高800mに築かれたこの街。灯油タンクが高野の街はまだまだ寒いというのを物語っています。
コーヒーとおにぎりでパワーチャージ
ファミリーマートでコーヒーをゲットし、飲みながら10分先のデイリーヤマザキを目指す。ちょうどコーヒーを飲み干せるくらいの距離感なので次回来たときも、この流れがお決まりのスタイルになりそうです。
デイリーヤマザキで中土さんに教えてもらったハンドメイドおにぎりをゲットし、遂に登山口に向かう。おにぎりを作っているカフェの名前かなと思っていたが、「handmade」と書いてあった。笑
いざ、登山口へ!
ここからなの?というようなあっさりしていて、重たくもある看板。ここからスタートです。
標高が高いためか、3月末現在はまだ雪が少し残っていました。
ハリーポッターエリアの入口にありそうな車を発見。フォトスポットにどうぞ
屋根のある東屋を発見。雨の時など屋根があるのはなにかと嬉しい。
しばらくロード歩きとトレイル歩きを交差しながら進んでいく。トレイルよりもロード歩きが油断して道を間違えやすいので注意。写真でみるとわかりやすいが、携帯の電波が入り夢中になっていると通り過ぎます。僕はこちらで30分ロストw
一度里に降りて、伯母子岳を目指す。高野山から下りスタートなので、なんだか不思議な感じ。これから登りがスタートします。小辺路は、伯母子岳を含む1,000m級の山を3つ越えないといけないので、それなりに大変。大切なことなので2回言いました。
気持ちの良い道を歩く。ずっとこのままが良い。綺麗に整備されており、危ない箇所はほとんどないです。
萱小屋跡に到着。ご覧の通り、魅力的な小屋。水場もあり快適そうだ。だがもう少し距離を稼ぎたいので一つ上の伯母子岳避難小屋を目指します。
伯母子岳避難小屋に到着
避難小屋の外観を撮るのをすっかり忘れてしまいましたが、内観はシンプルながら綺麗に保たれていて、右側も同じ構造。バイオトイレも完備されており、和式・洋式があります。ただしトイレットペーパーは無かったので、一応持参を忘れずに。
初日の夜は南岸低気圧による強烈寒波なるものがきており、伯母子岳山頂付近の天気予報は温度は-3.4度
次の日は少し暖かくなるようで春の気候は難しい。しっかり寝たい派の篠崎は、シェルターにビビィを重ねる蒸らしスタイルで応戦します。
テントを設営し、小屋から20分ほど上がった伯母子岳山頂へ。後にも先にもこのときが一番の晴れ。
360度パノラマビューの中、少しお昼寝の至福タイム。
眺望よりも篠崎メインになってしまったセルフィー
小屋に戻ると、そこには海外ハイカーが。軽く会釈を交わし合う。彼は小屋に泊まるようだ。
テン場に戻り夜はスモールツイスト(麻婆茄子&生姜ご飯)+ミニどん兵衛、更にウイスキーにナッツで夜を楽しむ。
ウイスキーとナッツのハーモニーに浸っていると、小屋から男性の叫び声が。
クマが出たのではないかと驚き、恐る恐る扉の方を覗いてみるもそんな様子は無い。。。
これは推測だが、もしかしたらカマドウマなのではないだろうか。
前に中土さんのインスタグラムで小辺路を歩いた際に伯母子岳避難小屋に泊まった夜に
カマドウマ夜這いにあったというパワーフレーズを思い出しました。
2.3年前の話なのでまさかとは思うが、今回はテン泊をチョイスして正解だったなーと
自分に言い聞かせ眠りについた。
2日目 伯母子岳〜果無観音堂テン泊
今日は伯母子岳避難小屋を下り、三浦峠を越え十津川を越え果無観音堂まで向かいます。
雨音で目覚める、霧の朝
雨のようなみぞれのような雨音で目を覚ます。
もう少し待てば弱くなるのではないかと圏外の中、なんの根拠もない自信で
もう一眠り。
起きても雨は止まない。
仕方がないのでパッキングを済ませ、出発します。
POW BARを入れ込み、ブーストをかける。
霧も似合う熊野古道・小辺路
楽天モバイルは圏外でしたので、ご報告まで。期待してしまいました。
雨の中、集中力がきれそうなとき、こめかみにロールオンを塗るとスッキリしていい匂いと共に目が冴えます。
雨が止んだ。嬉しい。着替え姿をセルフィー。ありがとうHalo Pant。
たまに見える山間が嬉しい。
桜咲く里と三浦峠の試練
無事、里へ下りると桜が。いい季節に来てしまったなーと嬉しくなるが、先ほど1,344mの伯母子岳を越えたばかりだけど、今日は更に1つ1,000m級の山を越えなければいけないことを思い出す。
三浦峠登山口へ進みます。
看板や舗装路にも標識を書いてくれているのでとにかくわかりやすい。道を間違えようものなら「NOTO KUMANOKODO」
三浦峠登山口前に自販機とちょっとした無人商店があります。自販機ではミニッツメイド アロエ & 白ぶどう、商店では小辺路キーホルダーをゲット。
三浦峠を上がっていきます。小辺路で見ることができる有名な大木だそうです。
実際に見てみると、とてつもなく強い生命力が感じられる。
三浦峠の上に屋根付き東屋。なぜか見つけるとラッキーな気持ちになります。
三浦峠を下山中、3名の海外ハイカー達と出会う。
約10kmのロード歩きと十津川温泉
三浦峠下山後、ここから十津川温泉までの約10kmのロード歩きが始まる。自動販売機で娯楽を手に入れる。
歩き始めるもすぐにバス停が。
むむ、後20分でバスがくる、、、おすすめしてもらった「太陽の湯」の日帰り入浴の受付は歩いても間に合いそうだが、バスに乗ったら約二時間の短縮になる、、、そんなことを思いながらバス停とにらめっこ
中土さんに連絡。
「もう少しでバスがくるのですけど、、、」と送信。
返信がないまま、バスの乗車時間が近づく。その間に必死に考えた。
だが僕は「小辺路を歩きに来たんだ。最初の一回目は歩こう!次回からはバスに乗ろう!」と自分を鼓舞し歩くことを選択した。
去っていくバス。後ろ姿に愛しさと切なさを感じ、なんだかセンチメンタルな気持ち。
ゆずのサヨナラバスが流れた気がしたので充電が残り20%のiphoneにムチを打ち音楽を流す。
サヨナラバスを聴きながら歩いていると、中土さんからLINE。
内容を読んで自分の選択は正しかったと思い安心したが半分、バスに乗っていたもう一回行けと言われていそう。笑
「長いロードも含めて小辺路」まさにその通り。
レンタサイクルなのでは?と自分に都合よく解釈したが勇気がなく通り過ぎた殿原バス停。
ファニーパックのファスナーにジャケットが挟まっている図。
舗装路を歩いていると向かいからやってくる車の運転手がガッツポーズを送ってくれた。
ガッツポーズといえば五代雄介。僕も親指を挙げました。
熊野古道を歩く人向けに解放されている休憩処。パンフレットや無料のキャンディーなどが配布されてたのでいくつか拝借。愛しい。
約10kmのロードを終え、楽しみにしていた「太陽の湯」は大混雑、大人気でごった返し。絶望にかられる。
必死の思い出見つけた「公衆浴場 憩いの場」安いし21時までだし最高。憩いの場という名の如く、お風呂も密着スタイルで地元の人との会話も弾む。
超回復したがこれからナイトハイクが待っていることを思い出し萎える。
ナイトハイクの末にたどり着いた果無観音堂
さらば十津川温泉。お風呂後にまた歩くのかーと思っていたが気持ちとは裏腹に足は快調だ。温泉ってすごーいと思いながらぐんぐん上がる。
あっという間に果無観音堂に到着。
2日目の夕飯はさくっと済まし、お待ちかねのウイスキータイム。まだ少しほかほかした身体にウイスキーが染み渡りよく眠れました。
3日目 果無観音堂〜熊野本宮大社
今日で旅は終わり。なんだか身体も軽い。まだまだいけそうな気がして終わるのが寂しい。
雲海に包まれた果無峠の朝
晴れている!!最終日を祝福してくれているような天気。伯母子岳山頂で見て以来、久しぶりの太陽でテンションMAX!足取りも軽く、ガンガン上がっていく。
雲海で立ち止まる。嬉しいさを共有したいが為に、カメラのシャッター回数も上がっていく。
テンションにまかせて果無山、山頂にきてみたが、眺望あんまり&天気傾きで少し萎えてもどる。笑
晴れていたらまた違うのかもしれない。ご興味がある方は是非。
この時間、ここにいないと見られない木漏れ日の一つ一つが美しくて自ずとシャッター回数が増える。
道中、ナイスなところにビバークしているハイカー。羨ましい。
木漏れ日にて一緒に頑張ってくれた相棒のHyperlite Mountain Gear WAYPOINT 35をパシャリ。
里へ下り、ここで一旦小辺路歩きは終わる。3日間を振り返りながら街を歩く。
しばらく歩いていると道の駅「熊野古道ほんぐう」を発見。
温かい汁をすすりたかったので、うどんを食べたかったがすべて売り切れだったので
さんまの押し寿司と、からあげを頬張る。
自販機で炭酸を買い、糖質もカロリーも回復し出発。
ゴールまで残り1時間ほどというところで道端で出会ったおばあさんから缶コーヒーを5本もらう。
1kg増。歩いた身体にのしかかる。必死に飲むも2缶が限界。残りは運搬することにする。
無事に熊野本宮にゴール。歩かれた方がみなさんここで写真を撮っていて、やってみたかったことの一つ。みんなに笑顔が上手と褒められたセルフィー
歩き終えた感想
熊野古道・小辺路は、山深い静けさの中に、かつての商人たちの息づかいが残る「商人の道」でした。
物を運び、人を繋ぎ、必要とされる場所へ届ける。今も昔も変わらない商いの本質が、この道には詰まっているように感じました。
また、VIVOBAREFOOTで歩き切れたのも嬉しかった。後半になると右膝に違和感が出てきて、「このまま歩き続けると痛くなりそう」と感じ、歩き方をいろいろ試してみることにしました。自分と対話しながら歩いていると、右足だけが内側に入って歩いていることに気がついたのです。
自分ではまっすぐ歩いているつもりでも、実際には少し内側に足が入り、その動きが膝に衝撃を与えているのではないか?と仮説を立て、足の上げ方に注意して観察してみると、やはり右足が内側に入っていました。
思ったよりも「がに股」気味に歩いた方が、僕にとっては真っ直ぐなフォームらしく、無意識って本当に怖いものだと実感しました。
意識して歩くことで膝の痛みも出なくなり、次の旅にもつながる大きな発見を得て、この道を歩き終えることができました。
またこちらでは話せない小ネタもありますので気になる方は是非、大阪店へご来店ください。笑
次は友人と一緒に歩くのもいいなー。