MOONLIGHTGEAR
D.D Jacket
黎明期のULスタイルを踏襲し
最先端素材で縫い上げた渾身の一枚
2010年10月 Moonlightgear立ち上げからわずか3ヶ月という頃、Gossamer gearの創設者であり、現代ULシーンの源流から長い間牽引したレジェンドの一人であるGlen Van Peski氏と奥秩父主脈を3泊4日で縦走するという機会に恵まれた。
残念ながらこのツアーは天候には恵まれず初日以外は秋の冷たい雨の荒天が続いた。
その時、このツアーを共に歩く自分を含む他の日本人ULハイカー全員がしっかりとしたレインジャケットを着ていたが、Glen氏が着ていたシェルだけ明らかに異なっていた。
まるでコンビニで売っているカッパに少し毛が生えたような、華奢な不織布素材でできた簡易的な雨具を使っていた。
降り続く雨での長い行動時間、シェル内部の体温と外気温との温度差でじわじわと湿り気が拡がっていく。
透湿性能が落ちた内部は体温で蒸れ、次第に濡れた身体は停滞すればすぐに冷えに変わっていく。
▲モデル身長 174cm 体重58kg S/Mサイズ着用
そんなことは現存するほぼすべての高機能性シェルも変わらないことだ。その時も自分の身体がどんどん濡れていく現象を当たり前に思っていたけど、衝撃だったのはそんな中でもグレンさんだけがほとんど濡れていないという現実だった。
そしてその秘訣が沢山の空気をシェル内部に取り入れ外気との温度差を低減している雨合羽のオーバーサイズなシルエットだということに気づいた。
このD.D Jacket はそんな10年以上前の衝撃的な出来事からインスパイアされ生まれたレインジャケット。
▲モデル身長 174cm 体重58kg S/Mサイズ着用
ULスタイルだからこそ、こだわりのオーバーサイズを選ぶというウエアリングスタイルを踏襲しながら、防水性、透湿性、耐久性、そして軽さなどの機能性においては現時点で最高峰の素材を採用したうえで、何度もテストを繰り返しながら細かなディテールを追求して完成へと至った。
▲モデル身長 164cm S/Mサイズ着用
■2024年モデル アップデート情報
①2024年モデルは1サイズ(今季 S/M)だった昨年から、身長が180cm前後の大柄な男性でもしっかりとビッグシルエットで着用できるように L/XL サイズも展開。
②裾にドローコードを採用し絞れるようになりました。雪山などよりテクニカルな環境下や風が強いときに、また小柄な男性や女性でも好みにスタイリングをカスタムできるようになりました。
▲モデル身長 180cm L/XLサイズ着用
model : RYOSUKE IWASHI a.k.a. SKETCH
@ryosuke_iwashi
2024 USロングトレイル CDTにて
黎明期のULスタイルを踏襲し、最先端素材で縫い上げる。
結果、この防水ガッパは他に類を見ない
Moonlightgear というブランドを象徴するようなモデルとなりました。
▲Moonlightgear®️ D.D Jacket ///2024///
SPEC / 商品スペック
サイズ | 着丈(cm) | 身幅(cm) | ゆき(cm) | 袖口(cm) | 重量(g) |
---|---|---|---|---|---|
S/M | 75(78) | 64 | 93 | 9.5 | 195 |
L/XL | 77(80) | 66 | 95 | 10 | 200 |
50g/m2
■Sand Beige
S/M 、 L/XLの2サイズ展開。
裾にゴムコードをつけ風や雪の侵入を防ぐようにアップデート。
※サイズ選びの参考として
男性女性隔てなく着れるユニバーサルデザイン。
※袖口はゴム上がりの寸法です。
※着丈は後中心の寸法です。(かっこ内の寸法はサイドネックポイントから裾)
※実際の着衣長は下図とサイズ表を参考にしてください。
※より詳細なサイズ感を知りたい方は、メール、TELにてお気軽にお問い合わせください。
COLUMNコラム
大学時代からの友人千代田とmoonlightgearを立ち上げたのが2010年6月頃それよりも更に遡ること数年…. その当時はガレージクオリティ、ガレージマインドのブランドがUSからポツポツと生まれ小さなムーブメントになり始めようとしていた時期だった。
当時のULシーンは、良くも悪くもいま在るの多くのクオリティの高い個人ブランドに比べたら全然ちゃんとしてなくて…
でもそのどれもが実験的で創造的でそれが滅茶苦茶、刺激的だった。
そんなアメリカで産声をあげ始めたULシーンを 日本では東京三鷹のハイカーズデポ土屋さんや、山より道具というカリスマ的ブログの寺澤さんをはじめとしたブロガーの先輩方々がいち早くキャッチし発信をはじめてくれた。
仕入れる情報はすべて英語。個人輸入の壁も高かったあの時期に、失敗覚悟で変な道具を輸入してはUSとは環境の異なる日本の山で実験をし、このULスタイルは日本の気候で通用するか!?という面白い試みをブログに報告してくれていた。
そんな風に作り手も使い手も、そこに集まる皆んなが実験的な要素を楽しんでいて、当時いちヘッズとしてそれを追いかけていた自分達はすぐに夢中になった。
全国のエッジの効いた愛好者たちの実験が日本中に広まって。最高に楽しいシーンで、あの頃、あのコミュニティの仲間として先端に居れたことは、自分達MLGにとって本当にかけがえの無い時間と経験だったと思っている。
それから約13年の時を経て、こんどは自分たち自身でMoonlightgearとしてブランドを立ち上げようと思ったとき、あの時自分たちを心の底から沸かせてくれたULシーンの実験的要素を、ブランドのモノづくりの核にしたいと思った。
誰にとっても完璧を約束するモノではなくて、使い手側にも実験要素を残した、何かが足りていない、でも明らかに特化した道具。
それが賛否両論を巻き起こし、願わくば次のクリエイティブが生まれるきっかけになるような… 「完璧ではない最高の道具」を作り続けていくブランド。
このD.D jacketは、そんなブランド立ち上げを思いたった時に、いちばん最初に降りてきたアイデアを型にしている。何度もプロト制作とフィールドテストを繰り返して出来上がり、元ネタにもリスペクトを込めてD.Dの名をつけた。これからのブランドとしての Moonlightgear® を代表するプロダクトになっていくと自負している。
ここから十数年後とかに…アイツら変なもの作ってたよな。
でもあれがきっかけであの名作が生まれたんだよな。 とか語ってもらえてたら、そんなに嬉しいことはないなと思いながら。
でも最後にひとつだけ、これだけは自信を持って言わせてください。 マジで最高に調子がいい渾身のレインジャケットが完成しました。
writing / Komine