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OMM JAPAN 2023 KITAYATSUGATAKE 2024-03-17
2023.11.10-11
今年はStraight Eliteにチャレンジ
昨年はStraight Aをほぼ走らずにゴールできたけれど、さてEliteはどれぐらい走らされるのか⁈
そんな思いでスタート前に配られた地図を見ると、お、おう…と、苦笑いしたくなるほどCPとCPの距離が遠い。周囲のチームがマラソンですな…と呟いていた。
結果、無事完走できたけれど、よかったことも、反省もあるのでメモ。
◾️よかったこと
・地図読み
細かいミスはあったけれど概ねよかった。JOAオンラインセミナー「OMM振り返り」を見ても、ルートチョイスは悪くなかったと思う。 基本的に、我々は「ハイカーとしてOMMに参加する」ことをテーマに掲げているので、できるだけロードは走らないで、地図読みして山の中を最短距離で突っ切るスタイル。
誰もいない山の中を進みたかったので、あえて人がいなさそうなルートをチョイス。ほとんど人に出会わなくて心配になることも多かったけれど、今回はオフトレイルでも割と歩きやすかったので結果的にうまくいった。
これは近場の山で、どうやってルートを繋いだら20〜30kmぐらい歩けるコースをつくれるか?とオリジナルコースをつくって遊んでいたときの経験が活かされたと思う。
地形図を見ながら、このルートで繋ぐとおもしろそうだな、と遊んでいたときの感覚で、OMMのときもCPとCPを繋いだので、わりとおもしろいルートチョイスができたと思う。僕が大まかにこのルートおもしろそう!と提案すると、バディのKが地図を細かく読んで、いい悪いを判断してくれたので、いい感じでバランスがとれていたと思う。
OMMで地図を読みながら山の中を進んでると、素晴らしい景色に出会うことができる。地図を読んでここに辿り着いた人への、ルートを作った人からのご褒美なのかもしれない。そうやって、地図を作った人と会話するようにルートを選ぶのもOMMの面白さのひとつ。
・お酒
装備はできるだけ軽くしたかったので、お酒を持って行くかどうかは最後まで悩んだ。 最終的に、山で寝るのにお酒がないのはつまらない、という意見で我々は合意した。
イギリス発祥のOMMに合わせて、スコットランド王家の門外不出の秘酒だったと言われている「DRAMBUIE」をチョイス。スコッチ・ウィスキーをベースに、蜂蜜やハーブ、スパイスが配合されたリキュールなので、お湯割りにして飲むと疲れた身体にアルコールと独特の甘さが心地よく沁み込んで、心も身体もあたたまった。
・OMM Phantom 18
OMMに参加するときの楽しみの一つがバディとお揃いの装備を身につけること。
今年は、OMM Phantom 18をお揃いの装備にチョイス。このバックパックにお互い4kgちょっと入れて山の中を走り回った。
Phantom[幻影]という名前の通り、重さが背中から幻影のように消える感覚がとにかく素晴らしく、バックパックが身体の一部になったように感じるほど!身体への負担も軽減できたので、エリートを出場するためにこのバックパックを選んでよかったね!とバディとレース後の反省会で激しく同意し合った。
◾️反省
・ペース配分
はじめてのElite、僕が人生で15kmより長い距離を走ったことがなく、ビビっていたので、特に初日に体力を温存し過ぎたこと。
他チームが走っている中、Kが僕らも走る?とウズウズしながら提案してきたけれど、アスファルトの上を走りたいならマラソン大会に出ればいいじゃない!と謎の屁理屈でロードを走ることを拒否するほど。
OMMで差が出るのは、2日目より初日らしく、初日でどれだけ差をつけられるかが大事とトップチームの人たちはロードも走りまくっていた。
2日目もわりと体力を温存してしまった。ラストは全力疾走したけれど、もう少し走れるところは走ればよかったなと反省。
ちゃんと走り込んでいたKには申し訳ないなと思う。
・リスクヘッジ
今回は比較的オフトレイルが歩きやすかったので「結果的に」よかったけれど、トップ選手は植生がよくわからない山域ではルートを慎重にリスクヘッジしながら選んでいた。
おもしろさ優先で、リスクヘッジすることはあまり深く考えずルートを選んでいたので、細かく地図を読んでくれていたバディに感謝。
・バディのメンタルケア
大会前日に風邪をひくという大失態をおかしてしまい、風邪薬とテンションを無理矢理上げてしんどさを誤魔化していたので、自分自身に余裕はなかったとはいえ、バディに強く言い過ぎてしまったときもあったと反省。
▲ふくらはぎに何かいるか確認するバディ
最初は、レース本番の緊張でいつも通り地図読みできていないKに、周りの人は気にせず地図とコンパスを見てれば大丈夫だから、と声をかけていたけれど、なかなか地図読みの調子が出ないKに対して、徐々に苛立ってしまう。
2日目、道を間違えたなと気付いた時、ミスったポイントはわかっていたので、すぐにリカバリーしようと動く僕。念のため立ち止まって地図を読もうとしていたKに対して、ここで立ち止まる意味ないよな?とサクサク歩く。後ろからついてくるKに「つらい、もっと褒めてほしい」と言われる。
バディのファインプレーに対する感謝の気持ちが足りなかった、調子が出ないときに調子が出るような言葉をかけられなかった自分の未熟さに気付かされる。
それからは、できるだけバディへの感謝の気持ちを感情表現するようにした。
こんな風に誰かに優しくできなかったとき、レイモンド・チャンドラーの『プレイ・バック』の中のフィリップ・マーロウのセリフを思い出す。
「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」
OMMのEliteもタフでなければ完走できないけれど、バディに優しくできなければ参加する資格がないのかもしれない。バディへの感謝の気持ちを忘れてはいけない。
3年前にScore Longに出場した時は、膝を痛めたりしていたのでEliteに出場するなんて思ってもいなかったけれど、「山の総合力」が試されるOMMをきっかけに身体や装備について真剣に向き合うようになった。
▲ビビィで気密性を上げて10℃対応の寝袋で氷点下で寝る
山の中を走ること、自分だけのハンモックスポットを探すこと、雪板遊び…OMMを通じて、山での遊び方の幅が一気に広がった。OMMで培った経験はその後の山遊びにも活きてくる。
自分が成長するきっかけをくれたOMMに関わる全ての人に感謝!
OMM最高!
Written by : ちゅら