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高島トレイル一泊二日ハンモック旅 2024-05-22
高島トレイル一泊二日ハンモック旅とそのギア
2024.5.3-4
ここ3年、毎年GWは高島トレイルを歩いているけど、今回は一泊二日で歩くことに。
今までで一番ハードだったけど、新緑の若葉に太陽の光が透き通って世界が緑色の光に包まれるブナの森を歩くのは最高に気持ちよかった。
2022年はテントで二泊三日予定が、天候の悪化と友人の体調不良で撤退。
2023年はビビィで一泊二日予定が、寝坊と後半が想像以上にハードで一泊二日をあきらめて二泊三日でスルーハイク。
今年は去年できなかった一泊二日にハンモックでリベンジすることにした。今回は、高島トレイルをはじめて歩くOMMのバディKとチャレンジ。
高島トレイルは、全長約80km、累積標高差は8,000m超という人もいるけど、たぶん6,000m超ぐらい。いずれにせよ、今までKと歩いてきた山と比べて、ちょっとハードかな?ぐらいに思っていたけれど、数字には出てこないハードさがあるのが高島トレイル。
ハードさの要因は、高島トレイルの最大の魅力でもあるワイルドさ。
トレイルのほとんどが未舗装路であり、しかも野営指定地が設けられていない。水場も多くはなく、途中で自動販売機やコンビニで補給もできない。登山道もここ本当に道かよ⁈と思うぐらい歩きにくい場所があるし、トレイルの目印のテープも見つけにくいから、よく道を間違えるからムカつくことも多い。
それでも、僕が3年も続けて歩きに行くのは、高島トレイルがとにかく自由だから自然保護のガイドラインやルールを遵守していれば、野営地に縛られず、いつまでも自由に歩けるし、いつでも好きな場所で眠ることができる。
何時までにテン場に着かないと、何時までに寝る準備を整えて静かにしないと…
時間や周囲の人を気にせず、自然の中で思う存分遊べるトレイルって日本では少ないと思う。この自由さは一度味わうとクセになるけれど、さすがに3年連続歩いているので、いくら新緑のブナの森が気持ちよくても、来年のGWはもういいかなと思うぐらい今回の一泊二日はしんどかった。
次は紅葉の季節にのんびり歩いてみたい。
Kはゴールしたとき二度とやりたくないと言っていたけれどまた誘ってみようと思うw
今回は一泊二日、公共交通機関で大阪に帰るためには、17時前の終バスまでにバス停に着かないといけないという遊びだったのと、想像以上に暑かったので、けっこうハードだったけど、日程にゆとりを持たせればもっと楽しいはず!
初日のナイトハイクぐらいから、足に違和感を訴えはじめ、寝る前には撤退するためのルートを探し、二日目も少ない睡眠時間で回復しきれてない身体だったにも関わらず、僕にいけるよな?Kならいけるよ!と後ろからプレッシャーをかけ続けられ、途中で、もう頭がおかしくなりそう!と発狂して何も話さなくなったKだったけれど、なんとか終バスに間に合わせて歩き切ったガッツにはちょっと感動した。
今までで一番の達成感だったらしい。
自分の限界をちょっと超えられたときに身体中の細胞が湧き立つような感覚を僕らはあと何回感じることができるのだろうか?
何歳になってもそういう感覚を味わえる自分でいたいと思う。毎回そう思わせてくれる高島トレイルマジで最高!
【ギアのメモ】
今回、高島トレイルを一泊二日で歩くために、荷物はとにかく軽くミニマムに削った。走れるところは走る、ナイトハイクの時間も長くなる、そして、ハンモックで快適に眠るために工夫したことのメモ。
■バックパック
高島トレイルを一泊二日で歩き通すためには、走れるところは走って時間に余裕を持たせたいと考えたので、PA'LANTEのmini joeyを選んだ。
公共交通機関での移動だったので、下山後の着替えや高島トレイルを歩き終わった後に渓流釣りをして遊ぶ予定だったのでテンカラ装備も担がなければいけなかった。PA'LANTE曰く容量は12Lとのことだが、実際は17~18Lぐらいの容量はある気がする。一泊二日分と予備の食料も含めて余裕でパッキングできた。
走ってもまったくブレなかったので何のストレスも感じなかった。行動食とボトルをフロントの4つの大きなメッシュポケットとボトムポケットに入れていたおかげで、ほとんど立ち止まらずに行動しながら補給することができた。
立ち止まらず、極力余分なエネルギーを使わず、自然の中で自分自身に挑戦するというコンセプトを掲げているPA'LANTEのバックパックの中で、最も自分を試されるバックパックだと感じた。
今までPA'LANTEのバックパックを背負ってたくさん遊んできたけれど、毎回、本当に必要なモノをとことん考えて無駄を削る。そうすると、今までできなかったこと、できないと思っていたことに挑戦してみようという勇気が湧いてきて、自分の山行スタイルが変わってきた。
PA'LANTEのmini joeyも、この小さなバックパックに本当に必要なモノをパッキングすることで今まで一番軽い装備で高島トレイルに挑むことができ、昨年達成できなかった一泊二日で歩き切ることができたのだと思う。
■ライトシステム
公共交通機関を使ったモデルコースでは3泊4日で紹介されているところを、1泊2日で歩くので山行計画を立てる段階で日没後、日の出前のナイトハイクも計画に組み込む。
1日目は夜の21時半ぐらいまで歩き、2日目は日の出前の4時前ぐらいから歩き出す計画。
ナイトハイクの時間が長くなるので、一番最悪なのはヘッドランプの充電が歩いている途中でなくなり動けなくなること。
そこで考えたライトシステムが以下の装備
・ヘッドランプ milestone / MS-G4 “USB Type-C Rechargeable Model”
・予備バッテリー milestone MS-LB3 “Smart Mobile Battery”
・予備ライト兼バッテリーケース milestone MS-J1 "Route Finder"
結論からいうと、このシステムが高島トレイルにドンピシャ!
ヘッドランプMS-G4は、充電しながらも照射し続けることができるので、万が一バッテリーが切れても充電しながら使えるという安心感。
予備バッテリーとハンディライトMS-J1 "Route Finder"に入れて、暗くなったら手で持ち運び、ヘッドランプのバッテリーが切れたらすぐに充電できるようにスタンバイ。
ナイトハイク中は、トレイルや目印のテープを見失うことが多かったので、1000lmの明るさ、照射距離150mという驚異的な照射パワーを持ったハンディライトMS-J1 "Route Finder"を使って、トレイルの踏み跡やテープをすぐ見つけることができたので、時間的にもメンタル的にも本当に救われた。
夜の山の暗闇は本当にこわい。
そんなときにバッテリーが切れても充電しながら照射し続けることができるから大丈夫だと思えること。 より遠くをより明るく、山の闇の隙間を照らすことができるから、迷っても道を見つけることができるから大丈夫だと思えること。
夜の山を楽しむには、大丈夫だと思える心の余裕、安心感がすごく大事だと感じた。
■ハンモックのトップキルト問題
ハンモック泊をするときはENLIGHTENED EQUIPMENTのRevelationシリーズをアンダーキルトとして使うことが多い。今回は10℃対応の化繊モデルAPEX 50°Fを選んだ。
EEのRevelationシリーズをアンダーキルトとして使うと、上半身に隙間が出来てしまうので、25L前後のバックパックでハンモック泊をするときは、スリーピングマットとして使うOMMのDuoMatやEVERNEWのFPマットをトップキルトとして使っていた。
しかし、今回使用したPA'LANTEのmini joeyは背面長が短いので、それらのマットがパッキングできない。
もう少し気温が高ければトップキルトは無しと判断するが、今回は10℃以下にまで気温が落ちることも予想される。ハードな山行なので寒くて眠れないということは避けたかった。
そこで考えたのは、SOLのエマージェンシーブランケットをトップキルトとして使うこと。透湿性のない素材なので多少の結露はあるだろうが、化繊のキルトだし、ふんわり被せておけば気密性はそこまで高くならないので大丈夫だろうと考えた。
結果、気温は7℃まで下がったが熟睡できた。結露も思ったほどなかった。
もしかしたら、10℃対応の化繊モデルAPEX 50°Fだけでは寒くて眠れなかったかもしれない。エマージェンシーブランケットの輻射熱とVBLシステムもどきであたたかさをブーストできたのだと思う。
■山と街を繋ぐレイヤリング
今回、公共交通機関での移動だったので、下山後は京都に寄り道して遊びたかったので下山後も街に溶け込めるレイヤリングにしたかった。
高島トレイルを歩く時は日中は20℃後半、ナイトハイクの時間は10℃前後と寒暖差の激しい予報だったので、レイヤリングは悩ましかった。さらにバックパックはPA'LANTEのmini joeyなので、余計な着替えは持って行くことができない。
コンパクトに軽くパッキングできて、山の中で寒い時に機能的に着れて、街にも溶け込めるウェアを考えた時に浮かんだのがSenchi Designs。
Polartec®Alpha Directという軽量でテクニカルな素材を使いつつも、ポップで可愛らしい見た目なので下山後の街中でも違和感なく着ることができる。今回のような公共交通機関での移動で、下山後の余計な着替えを持っていきたくない時には、機能的且つお洒落にも着れるSenchiがやっぱり最高だと思う。
今回はAlpha Direct 60 Hoodieを使ったが、OMMのCore Vestとの相性が最高だった。日中はCore Vest単体でも暑いと感じるほどだったのに、太陽が沈んだナイトハイクの時間帯は風が吹くと震えるほどの寒さ。Senchiをサッと羽織って行動していると、Alpha Direct 60の適度な保温、抜け感の生地の厚みが絶妙。特にCore Vestと組み合わせた時の体幹部の保温と腋窩部分からの放熱のバランスが素晴らしく、ずっと着たまま行動することができた。
ずっと悩んでいた、Core Vestだけでは寒い時に何を着るか問題。 今までウィンドシェルやシャツなど色々試してきたが、Senchi DesignsのALPHA 60シリーズが今のところ、荷物をより少なく、軽くして、下山後もそのまま着ることを目的とするならば、べストなレイヤリングかもしれない。
【おまけ】
下山後、予定通りのバスに間に合ったので疲れていたらそのまま大阪に帰ろうかと思っていたが、意外とKも元気だったのでそのまま温泉に入って、翌日渓流釣りをして遊ぶことにした。
のんびり釣りをしながら川沿いを歩き、ハンモックでダラダラ昼寝して過ごした。
2人ともイワナが釣れたので満たされた気持ちでのんびり歩きながら、
「なんか、今日のんびりしたことで、昨日までがんばってたのが中和されて、すごくいい感じのGW休暇になったと思わへん?高島トレイルだけ歩いて帰ってたら、しんどい頑張ったしか残らんかったんちゃうかな?」
「わかる!なんか今日のダラダラした時間すごくよかった!」
そんな会話をしながら下山していた。
ハードに歩く山と、のんびりダラダラする山、どっちも最高だよね。