Batchstovez
Deluxe Fosters pot
探求の面白さを味わえる
一筋縄ではいかない空き缶クッカー
ビールの空き缶(Fosters)を使ってクッカー代わりにする。このムーブメントはかつてUL黎明期の超軽量オタクたちのアイコンでした。GossamerGearの創始者であるGlen Van PeskiがGVP Ultralight Stove SystemというクッカーシステムをTrail Designsと制作したり、華奢で飛び切りに軽いULたる雰囲気、そして軽さと引き換えにへこみやすいアルミ缶をどのように運搬するかという、終わりのないトレードオフの難題に嬉々として取り組むという”答えを出す過程を楽しむ”というウルトラライトの楽しみの根源があると言えます。
Batchstovez のDeluxe Fosters potはすり切り約700ccの容量で、Fostersのラガー缶をベースに手で掴むための耐熱性と強固さのためにグラスファイバーのロープをひとつひとつ丁寧に巻き上げたもの。TORKSやVargoの450ccカップに合うアルマイト処理されたBatchstovez のオリジナルアルミ蓋を合わせたクッカーです。約5cmに渡って巻かれたグラスファイバーは沸騰したお湯の状態でも持ちやすく、唇が火傷しないように縁にSilicone lip guardを付けることでポッドリフター要らずで見た目とは裏腹にどのノンハンドルクッカーよりも直感的にストレスなく使える一品に仕上がっています。
▪️対応ストーブ/五徳の紹介
ベースがビール缶なので底面は通常のクッカーとは異なります。
直径約6.5cmの溝の中にはめるかそれ以上の十字五徳との相性が求められます。
当店で組み合わせをテストした結果、Batchstovezアルスト(Gram WinniePro,Is 2.0,Bs1.0がOK.H20のみ少し足のバランスが悪くなりますが問題なく使用できました)他のサイドバーン型ですとEvernewのBLUENOTE⁺stoveも使用可能。十字ゴトクは一辺が8cm以上であれば問題ありません。EVERNEW T0.3 triveTi は75mmの幅でギリギリ使用可能ですがしっかりと4点で支えられているかを確認してからの使用をお勧めします(気を抜くと倒れます)またFLAT EARTH EQUIPMENTのPOT STAND やQiwiz の Hinge Pot Support のようなワイヤー型五徳は問題なく使用可能です。またMUNIEQのXMESHストーブのLargeの真ん中
72㎜の径が絶妙に溝に合って使用可能。Esbit Titanium Stoveは使用できません。
▪️MLGのお勧めセット
縦長の缶は平形クッカーよりも沸騰が遅い傾向がありますが、どんなに風が強くてもクッカーの重さで風防を安定させ考え抜かれた熱効率のセットであるX-Boil 75-85 Ultralightなら、沸騰も早く抜群の相性でお勧め。缶の高さを活かして燃料ボトルのスタッキングも200mlのロングが収納可能です。
▪️運搬について
グラスファイバーで表面が補強はされているもののベースがただのビール缶ですので運搬には気を使います。当店としては打開策として外側にセカンドクッカーのスタッキングをお勧めします。ひとつ目のお勧めはJINDAIJI MOUNTAIN WORKSのHillbilly Pot 350。がたつきなくシュポッと適合。上部は覆えませんが許容範囲で運搬可能です。ふたつ目が岩崎工業のスクリュートップキーパー1000深型。87.5gで長型、クスクスやアルファ米のオリジナル料理を楽しむ用途としてもあえて今、使用が面白い組み合わせではないでしょうか。
上記のようにこのアイテムは対応するストーブ、運搬方法、それぞれに一筋縄ではいかない不便さがあります。だからこその開拓のしがいのある強烈なアイテム。
是非あなたらしく使ってもらえたらと思います。
SPEC / 商品スペック
蓋 : 15.5g
COLUMNコラム
2025年現在、周りを見ると山道具に限らず最短距離で正解が欲しいという声が多いと思います。
だからこそ、皆さん自身がああでもないこうではないという実験できるもの、
そういった本来のULの根源を楽しんでもらえるものが何か欲しいとずっと思っていたところ
ブランドのラインナップからは消えていたこのFosters potを復刻してもらえることになりました。
個人的なお勧めは岩崎工業のスクリュートップキーパーとの組み合わせ!ぜひアルファ米と出汁や乾燥野菜などなどのトレイルフードの探求も合わせて楽しんでもらえたら最高です!
writing / Chiyo