海千山千会

海千山千會 薩摩 コップ 虚(うろ)

MLG-UMI-05

海千山千會 薩摩 コップ 虚(うろ)
海千山千會 薩摩 コップ 虚(うろ)
海千山千會 薩摩 コップ 虚(うろ)
海千山千會 薩摩 コップ 虚(うろ)
海千山千會 薩摩 コップ 虚(うろ)
海千山千會 薩摩 コップ 虚(うろ)
海千山千會 薩摩 コップ 虚(うろ)
海千山千會 薩摩 コップ 虚(うろ)

海千山千会

海千山千會 薩摩 コップ 虚(うろ)

MLG-UMI-05

¥18,700 (税込)

海千山千會
薩摩 コップ 虚(うろ)

意志が宿る森の器

僕は軽量な山道具を好んで販売するお店をやっているわけだが 結局一番重いのは水だ、とよく思う。
山で飲むための水、調理をし、飯を炊くための水。
当たり前のように1Lで1kg。生きて行くための貴重な水。これがズシンと重いのだ。

ある夜、手強い山でその日の目的地に行く前に疲労困憊してしまいビバークをすることにした。
その尾根には近くに水を得られる場所もなさそうで、水も残り少なく喉を濡らす程度のものしか残っていなかった。
困っていると夜半に雨。
タープから流れ落ちる雫を鍋に集めて水を作った。
特別な水で作った袋ラーメンはとても美味く、心に残った。

初めてこのカップを見たとき、生きている木のうろのようだよと立沢さんが言った。
それは木に宿っていた本来の意思、軌跡を殺さずにひとつひとつ JIN AKIHIRO が削っているから感じた印象に他ならない。
木のうろに溜まったありがたい水。
あの夜の水のように、特別な一杯を感じさせる器。
ゆえに同じ形は存在しないし、それぞれが手に馴染む。

完成された形である彼の代表作である JIN CUP を削るよりも何倍も難しい見つめ合う時間の上にこのコップは存在しているのだ。

海千山千會 千代田高史


私たちは器に囲まれて生活している。
素材としては木、石、土、金属、紙、ガラス、樹脂などでそれらは出来ていて、用途に合わせて実に様々な形態と意匠を見せている。
学生時代に原始的な器は両手を合わせたものだと教えられた。
それから僕はその時々の思いつきで器を買っては捨るということを繰り返してきた。
数年で飽きたものも、旅先で買って寓居で醒めたこともあった。
その反動で禁欲的になった。
些細なことでも気に入らぬ箇所を探しては何ひとつ買わなかった。
その頃から博物館等に収蔵された器を見によく出かけるようになった。
こちらは手に入らぬから気が楽だったが、欲しいとも思わぬものが大多数であることも分かった。
そしてそう云う行為が器自体でなく、器を通して自分自身を見つめていることに気がついた。私や私たちの観念が物を見ていただけなのだ。
そして段々に僕は観念ではなく、別の視点から器を見るようになった。

 名あり実あるは是れ物の居(せかい)
 名なく実なきは物の虚なるところに在る『荘子』

虚(きょ)なんて言うと小難しくなるが、窪んだところに水は溜まる。
へその穴にも溜まるし、両手に溜めた水で私たちは顔を洗う。
樹に出来た樹洞にも水は溜まるが人は器と思っていない。
たしかに道具としての器はそうではないかもしれないが、少しばかり窮屈な器の見方とも思う。
屋久杉の倒木に出来た水溜まりも、西芳寺の黄金池も、様々な生命を育む器ではないだろうか。
虚(きょ)に生命の源である水が湛えられたこの虚(うろ)を目にしたとき僕はそう思った。

海千山千會 立沢木守


▲掌の内の花#2 薩摩 コップ 虚 / アキヒロジン

 

作家紹介
■アキヒロジン
198×年鹿児島県生まれ
鹿児島で木工作家として活躍する。彼の代表作は美しい鑿痕のついたJIN CUPシリーズ。
このJIN CUPは木を活かした器であり商品として設計されているから、虚(うろ)とは対極のように見えるかもしれない。しかしJIN CUPという商品の存在が無かったら、虚(うろ)もまた無いし、UHの石川顕さん×KIKIさんのKiKiSA KiKiLiM、Bonzaipaint®のKiTuNeLimというLiM (Less is More) の系譜に連なった作でもある。

 



SPEC / 商品スペック

サイズ
高さ : 約70mm-90mm (個体により異なる)
幅 : 約70mm  
重量
約90~110g (個体により異なる)  
素材
タブノキ (国産)
備考
商品出荷時には特注デザインの手ぬぐいで包んでの発送になります。

食品衛生法基準の安全な特殊樹脂塗料を使用しています。
洗う際は普通の家庭用洗剤をお使いください。
乾燥させる際はタオルで拭くか、自然乾燥させてください。
食洗機、電子レンジの使用はできません。

 

COLUMNコラム

初めてこのコップに触れた時、鳥肌が立って、自分がこの器に携わることができたことを誇りに感じたことを覚えています。

それぞれの底面を覗き込むと一つとして同じ形がないことがよく分かります。アシンメトリーな直線をつなげたかたちは偶然の造形から導き出されたものですが、どれも美しく素敵です。

あえて便利にロープなどはつけていませんが 昔の旅人のように手ぬぐいに包んで持ち運んでもらえたらと思います。

writing / Chiyo

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