SAKURA×moonlightGear
ORIGINAL "KONGO"
TENKARA ROD
一本のラインがつなぐ魚と自分、そして自然
水辺を「遊び場」に!ULハイカーのためのテンカラ竿
ムーンライトギア初となる”釣り”というジャンルでの軽Edition。
僕らが大好きな、山の中での遊び「テンカラ」。
リールなどを使わず釣竿一本で魚と自然に向き合う。
そんなシンプルなスタイルだからこそ、奥深く、山の空気や水の音、流れの変化までもを感じ取ることができる。
山の沢を歩いて竿を出すだけでなく、旅先の海岸沿いでも仕掛けを変えて“ちょい投げ”なんてのも楽しい。竿が一本あるだけでただの水辺が「遊び場」に変わって旅がもっと豊かになる。
「釣り」という遊びの可能性を、もっと自由に。もっと身近に。
僕らの山遊びや旅の中で育まれたアイデアとインスピレーションをぶつけたのは、1888年創業の老舗・櫻井釣漁具株式会社。すべての工程を国内の職人の手仕事で行い、その高い品質と精緻な仕上がりから「伝統美術工芸釣竿」と称される名品たちを手がけてきたブランドです。
その中でも名竿と呼ばれるテンカラロッド「金剛」。どこへでも持ち運びしやすいコンパクトさと軽量性。そして渓流から湖まで、幅広い魚種に対応できる設計は、僕らの自由な遊び方にぴったりでした。
そして今、職人の技と僕らの遊び心がひとつになった一本がついに完成。
山へ、旅へ。どこへでも連れて行きたくなるテンカラロッドです。
特にこだわったのが以下の三つ。
①「遊びのリズム」が途切れないラインクリップ
できるだけ道具は少なく、できるだけ動作はシンプルに。
テンカラとULハイキングには、どこか通じ合うものがあります。
そんな哲学を体現するような工夫を込めました。

釣り終わるたびに糸巻きを取り出してラインを巻く。
その一手間、そして余計な道具を省くために、ロッド本体にラインクリップを設置して、ラインをサッと巻いて収納できるようにしました。
すぐに遡上して次のポイントへ。時にトレイルに戻り、次の沢へと向かう。
そんなテンポの良い移動を実現してくれます。
ちょっとした工夫が、遊びの流れを途切れさせない。
“ただの便利”ではなく、自然の中で動き続けるため、もっと遊びに夢中になるための道具として、僕ららしい一本が完成しました。

②山の生き物たちからもらったオリジナルカラー
カラーは“山の生き物”から着想。
山に潜む昆虫、両生類、爬虫類。
目を凝らして山を歩いていると、息をのむような色彩をまとう生き物に出会うことがあります。彼らの“擬態色”でもあり“警戒色”でもあるカラーリングは、自然の中に溶け込みながらも、光の加減や状況によってその役割を巧みに変えていきます。
このロッドもまた、自然に溶け込みながらも早朝や夕暮れ時の薄暗い樹林帯ではしっかりと視認性を保って存在を主張してくれるはず。
穂先に使われるリリアンには、櫻井さんからの粋な提案。
「カミキリムシの触覚みたいに塗りましょうか?」
そんな一言から生まれたこの仕様もカラーリングも、ひとつひとつ職人の方に手作業で仕上げていただいています。
そして、ロッドケースは“脱皮”をイメージ。まるでカゲロウが羽化するように、静かに、しなやかに。竿がその美しい姿を現す瞬間に、きっと心がときめくはず。

③軽くても幅広く遊べる仕様
仕舞寸法37cmと、バックパックのサイドポケットにもすっぽり収まるコンパクトさ、85gという軽量性。
ついついどこにでも持ち運びたくなるミニマムサイズで、沢を見つけたら迷わずすぐに竿を振れる。そんな軽快さが魅力の一本。しなやかさの中に、一筋の“張り”を残した独特の振り調子。
本州の山域の小さなヤマメやイワナから、北海道の大型ニジマスに至るまで、魚の引きにしっかりと応える粘りとタフさを備えています。

隠しギミックとして、持ち手先端から白ラインまでがちょうど尺サイズ(30cm)
山の中に棲む生きものと、一本のラインでつながる。
目の前の水の中には、人知れず息づく命がある。
その生きものと、静かに対峙するひとときには、言葉では言い表せないような、特別な空気が流れています。
竿を振る動作の中に、耳を澄ますような感覚がある。
ただ魚を釣るのではなく、その場に“いる”ことそのものを味わう。
そんな時間のために生まれた道具です。
きっとあなたの山遊びや旅を、さらにワクワクする冒険に変えてくれるはずですよ。
SPEC / 商品スペック
仕舞寸法 : 36cm
先径 : 0.8mm
元径 : 13.5mm
袋 : 32g
※一本ずつ職人の方が手作業で仕上げているため個体差がある場合がございます。
COLUMNコラム
長く釣りに熱中してきた中で出会った、テンカラという釣法。
初めて体験したあの日の衝撃は、今でも忘れられません。遠くに投げたいのなら、自分が近づくしかない。でも、雑に近寄れば魚に気づかれてしまう。魚が掛かれば自分が後ろに下がったり、竿と一緒に身体を動かしたり、まるで身体全体を”リール”のように使って魚と対峙する。
そこにこそ、テンカラの面白さがある。山をかき分けて釣り場に向かい、ときには途中で野営する。そんなひとつひとつの行動が、自然との深い接続になっていく。
テンカラはただの釣りじゃない。
自然の中により深く没入するための「遊びの術」だと思っています。
数年前、吉谷と「いつかオリジナルのロッドが作れたらいいね」 なんて語っていた妄想が、いま現実になりました。ぜひこのロッドを持って、更なる冒険に出てみてください。
writing / Yamazaki