EVERNEW
Ti Solo pot NH
チタン最高!と思わず唸る
ミニマムソロクッカーの新定番
薄手のアルミクッカーの再評価によりチタンクッカーの存在感が少し薄くなってきている⁈と感じていた昨今、とうとう我らがJAPANチタンの雄EVERNEWよりUL精神ど真ん中のクッカーが登場しました。
Ti SOLO Pot NHは、その名の通り、容量550mlのハンドルレスのソロクッカー。シリコンバンドを外した状態で64g。その軽さは驚きですがそれ以上に至る所に、ソロクッカーとしてのこだわりが詰まっています。
このハンドルレスのクッカーを手に取ったときに「やっぱりチタンだな!」と確信しました。
■0.3mmの薄さ
まず最初に驚いたのは、蓋を外して、このクッカーを手に取って軽く力を入れただけで「たわむ」薄さ。
他のクッカーに比べて、クッカーの縁部分の折返しが小さいため、今まで気づかなかった0.3mmという薄さをまさに「体感」できました。
こんなに薄くて大丈夫?と心配になりますが
0.3mm厚というチタンの薄さでクッカーの底もフラットにして、ちゃんと耐久性を持たせることができる加工技術は世界を見渡してもEVERNEWが絶大な信頼を寄せる燕三条のみです。
極限まで削られた薄さは、もはや伝統工芸品のような美しさを纏っています。
ハンドレスクッカーの機能美。最初からハンドルがないことでクッカーの側面に余計な凹凸がないのは軽さだけでなく他のクッカーとミリ単位でギリギリのスタッキングができスマートにパッキングできるという使い勝手の良さがあります。
またハンドルでなく鍋を直接持つことの利点として、お湯を注ぐ際の微妙な調整がよりできることはあまり知られていません。
実際に蓋を閉めた状態で、注ぎ口からお湯を注いでみると、細い線のような水量から、ポタポタと点滴のような水量まで自由自在なことに驚きます。
付属のシリコンバンドを使うことも勿論ですがカーボンフェルトやリフターを使うなど、自分で色々考えて工夫するのもハンドルレスクッカーのおもしろいところです。
■タフに使える調理器具
熱伝導においてはアルミに軍配が上がるため、炊飯など細かい火加減が必要となる調理をするユーザーにとってはアルミクッカーが使いやすいでしょう。
しかし、チタンはアルミに比べて、強度や硬度だけでなく、「耐食性」も高いところがクッカーとして注目したいポイント。
チタンは非常に薄く、密度の高い、強力な酸化被膜を形成するため、酸化や腐食に強くなる。そのため、食べ物や飲み物の風味や風合いを損いにくい利点があります。故に細かいことは気にせず、ガシガシ山飯を食べたい!そんな人にはやっぱりチタンです。
径97×深さ100mm。この大きさは、110サイズのガス缶が入るサイズにこだわっています。蓋がカチッと閉まるので、スタッフサックで締め付けなくても中に入れたものが出てこない。スタッフサックの重さ分、軽量化できる点も見逃せません。
また、内部には水量が測りやすい目盛が刻まれています。160ml、330ml、400ml。ちゃんと意味があります。
160mlはアルファ米1食分、330mlはカップラーメンのリフィル1食分、400mlはチキンラーメン…etc
山でよく食べてるものに必要なお湯の量がすぐわかるんです。山では水も燃料もできるだけ無駄にしたくないので、これは地味に嬉しいポイントですね◎
かなりマニアックなこだわりが詰まったソロクッカーですが、これから山での食事を楽しみたいという人にとっては使いやすい機能ばかり。
これからクッカーを揃えるという人にも、クッカーを色々試してきた人には一周まわって、手に取ってもらいたいチタンクッカーです。
SPEC / 商品スペック
シリコンリング : 10g
スタッフサック付属
COLUMNコラム
コーヒーを淹れるのが好きです。
僕は点滴ドリップと呼ばれる、点滴のようにお湯を落とす淹れ方が好きなのですが、それができるクッカーがないので山ではコーヒーを淹れる機会が減りました。
このクッカーは今まで使ってきたどんなコーヒーケトルよりも点滴ドリップがしやすいので家でも使ってます。
久しぶりに山でコーヒーを淹れたいと思えるクッカーに出会えました。
writing / Nakatsuchi