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海千山千會

海千山千會 賽の河原

MLG-UMI-28

海千山千會 賽の河原
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海千山千會 賽の河原
海千山千會 賽の河原
海千山千會 賽の河原
海千山千會 賽の河原

海千山千會

海千山千會 賽の河原

MLG-UMI-28

¥55,000 (税込)

海千山千會
賽の河原

道を古代に訊ねるとそこには争いがあった。呪咀があり暴力が行われた。華やかな都の隅には希望を失った奴隷たちがいた。

道を歩いてみると勝者と敗者がいた。東西を貫く大動脈の騒音の中に、峠を行くハイカーの足下に、歴史が貼りついていた。

人は自らの道を歩く。徳の石と業の石とを無数に積みながら歩いているようなもの。積み終わったその先にはただ死がある。

人はいつから歩いたのだろうか。
それは一体何のために、どこへ向かって歩き始めたのだろうか。
呪と旅 SPELL AND TRAVEL

海千山千會 立沢木守





積み石というと地味で日本的だがロックバランシングというと今っぽいのだろうか。海千山千會のテーマの中に精神分析家ウィニコットの”ひとりでいられる能力”-The Capacity to Be Alone.-というものがある。

海千山千會ではひとり山中で仏像を掘るかのように集中して自分と向き合える道具を作りたかった。ケルンを積み上げる行為そのものを実現すべくもはや5年以上パートナーになりうる作家を模索していた。

石のように見える一つ一つは再生ガラスでできている。
丸みを帯びたガラス作品というものは世の中探せば沢山あるが積み上げられるほど自然な丸石を連続で作るのはかなり高度な技術が必要だ。それを難なくやってのけるSTUDIO PREPA平夫妻のブランドとしての高いレベルの目的と美しさの両軸でのレスポンスの正確さに心底唸ってしまった。

 

今回の”呪と旅”の最後の作品がこの賽の河原になる。

人は必ず死んでいくわけだが三途の川を渡る前に最後
親より先に死んでしまった人は河原にある石を積まなければいけない。

鬼がやってきて何度も崩されてしまうことを繰り返しながら人生を終わらせる準備が整う。仏教の罰の話だ。

人生そのものが旅である とは誰もがわかっている。
どこに 誰と いくのか。
その道を考えることがこの”呪と旅”で表現したいことだった。

海千山千會 千代田高史

 

作家紹介
Stadio Prepa
スタジオプレパは2人で営む吹きガラス工房です。
私達の器づくりは、確かな技術と細やかな感覚で、デザインから製作まで、全ての行程を自らの手で行います。工房レベルで製作するということは、器、或はガラスとしておもい描いた、あらゆるディテールを仕上げるためです。
そして、私達の器はどれも至ってシンプルで、物の形(機能)や素材感を素直に表した器ばかりです。

 



SPEC / 商品スペック

サイズ
集合体 : 約13.5cm 
大きいサイズ : 約3.5cm(一個)
小さいサイズ : 約2.5cm(一個)
重量
桐箱 : 261g
石 : 886g
素材
ガラス(リサイクルガラス)
 

COLUMNコラム

人は生まれてから旅を歩いている。

自分だけの旅ではあるが、ガイドは大勢でてくる。
親兄弟、親族、友達、先生、先輩、恋人、家族、上司、師。グループ、学校、クラブ、会社、地域など組織。言語、宗教、芸術、娯楽、経済、社会、概念と情報。
それらは旅のルートに時に多大な影響を与えてくれる。

この河原の石っころは、丸くてみんな似ているようだなと思っても、全く同じ石を見つけることは出来ない。
また、どうも俺の人生どこにでもある河原の石のようなもんになっちまったなと信濃川で嘆いても、ミシシッピ川ではどうだろうか。そこではけっこう異質で周囲から目立っているかも知れない。

STUDIO PREPAの平さんに再生ガラスで積み石を作ってもらった。自然石のように見えてアーティフィシャルな作品になった。

ガラスゆえ積み重ねるのが難しい。安定しないのだ。それこそ鬼より先に自ら崩れてしまう。それで積み直すのだが、そういうこと自体が人の行く旅路なのではないだろうか。

writing / Chiyo

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