UNHALFDRAWING
呪と道 タイベック
白川静は古代中国では「道には非常の際、多くの呪詛が加えられている。」と考えていたという。そこで軍が行動を起こす前に、その土地を踏み、障害がないかを確かめる任務があった。
様々な部族がいて、それぞれに神があり、祀る霊が違う。支配の圏外に出るときは、道に加えられている知られざる神の渦を祓いながら進む必要があると考えられていた。
「宿所に着くと趾(あし)を洗う。洗は跡を洗う形である」
時代劇で宿屋に着くとたらいに入った足洗水を使うシーンを目にすることがある。これには汚れを落とすだけではなく、古代から受け継がれた穢れを清める考えが残っている。憑いてしまった跡(呪)を清らかな水で祓う必要があると考えていた。
旧道を歩くと多く目にするのが戦場の史跡だ。道が戦をつくり、戦が道をつくったとさえ思えてしまうほどだ。
今日私たちの生活を支えたり、旅行のような楽しみを与えてくれる道が、非常の際、侵略者の侵攻に使用されるのを事実目撃しつづけている。
私たちは古代王朝や部族社会を見下すことはけして出来ない。
人類は未だ平和へと歩むことが出来ていないから。
UNHALFDRAWING 立沢トオル
僕らが歩いているトレイルや地面には様々な神が宿っていると言うのが神道の考え方だ。その地に宿るものは良いものも悪いものも混ざり混沌としている。
亀の甲羅を使って占いをした際に記載した漢字の元になった甲骨文字をグラフィックに落とし込んだ今回のTYVEK。
様々な占いから昔の人は行く道、行く方角を導き出した。
山の夜は不意に怖さが込み上げる時があるが野営の際はこのシートの上に寝転んでいれば安全エリアだ。
UNHALFDRAWING 千代田高史
SPEC / 商品スペック
COLUMNコラム
朝、雨が上がらずテントサイトで足踏みをした経験はそんなに悪いものではなく むしろ記憶として鮮明に残ることが多い。
歩くこと自体が目的で来た山で 不意に訪れる何もしない時間。本を読もうか何かを書き留めるか。 寝袋で昼前まで惰眠を繰り返すのか。
自分のこれからの行き先や人生は決まっているのだろうか?たまには立ち止まり運命に思いをめぐらす時間もいいものだ。
writing / Chiyo